a.k.a. Sakaki

旅行記と整備手帳と日々の声

『わたしを離さないで』

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昨年度末に読むはずが

 今さら“Never Let Me Go”を読了しました。「面白い本だった」と感想を綴ると、本当に読んでいるのか疑われそうなのですが、手法が‘Unreliable narrator’である以上、私からは「良い本だった」としか発信することができないような気がします。

 だからといって再読に値しない作品ではないことは確かです。世界観の片鱗が‘Stream of Consciousness’に沿って、さも当然であるかのようにさり気なく、また、それがあたかも大した出来事ではないかのように後から少しずつ見えてくるので、文学的な「読み」を含めた2周目が必要だなと考えているところです。とにかく隙がありません。(それに、過去に想いを馳せながら思い立った時に脱線してを繰り返すため読むのも大変だったことですし)

 一見、静かで気品のある「語り」によって構築された平穏な世界に見えますが、だからこそ第三部(オーソドックスな三部構成でした)にたどり着いた時、回想形式の物語が回想中の時系列に追いついたその時に胸の詰まる想いを抱いてしまったのかもしれません。

 個人的に「今まで読んだ文学で最も面白い作品」が更新されたように思います。というより、いま読み終えたからこそ愛読書となったように思います。話の詳細は適当な読書ブログにも書いてあるので書きません。久しぶりに集中して読むことのできた作品でした。自分、この手の物語が好きなんですね。